歩行動作を観る(3)―骨盤のローテーションと歩隔(ほかく)― 

前回は、骨盤のローテーションについてお話しました。

私たちが歩くときには、
右足が振り出されるときには、右腰が前方に動きます。
左足が振り出されるときには、左腰が前方に動きます。

このローテーションは、何に影響されるのでしょうか?。

最も影響されるのは、歩隔(ほかく)です、歩隔とは何でしょう?。

歩隔(ほかく)というのは、足の左右の幅です。

普通、歩くときの、一歩の歩幅のことは良くいいます。しかし、左右の幅(歩隔)に注目する人はほとんどいません。

ところが、動きや動作を見るときの基礎となる、骨盤の水平回転(ローテーション)と歩隔(ほかく)はとても大きな関係があるのです。

最初は、歩いている人を見るより、ご自分で歩いてみるといいと思います。

まず、ほとんど一直線上を歩いてみてください。ほぼ、歩隔(ほかく)をとらない状態です。次に、腰(肩)幅くらいの二直線上を歩いてみてください。

骨盤の水平回転の違いが明確に分かると思います。

一直線上を歩いたときの方が、ローテーションが大きくなりますね。

このことが、確認できたら、歩いている人の歩隔(ほかく)と骨盤のローテーションの関係を観察してみてください。その、違いが徐々に分かってくると思います。



さて、皆さんはどのようなスポーツをされているでしょうか?。

トレーニングでジョグやランニングを取り入れている方々も多いと思います。

歩隔(ほかく)を変えてみたことがありますか?。歩隔(ほかく)を変えると全く動きが変わってきます。


先日、モデルの方々が、歩き方をテレビで披露していました。

一直線どころか、逆二直線の歩き方です。左右の脚を交差させます。

そうすると、とても大きく腰がローテーションします。

ローテーションを大きくすることで、女性らしさを表現しています。

「モンローウォーク」で有名な、故マリリンモンローは、ハイヒールの片方のピン(かかと)を5ミリほど、切っていたそうです。

そうすると、骨盤の水平回転だけではなく、上下への動きが加わり、女性らしい歩きを強調できたらしいのです。


歩隔(ほかく)と骨盤のローテーションに注目してみてください。



歩行動作を観る(2)


前回は、歩きと腰の水平回転(ローテーション)について触れました。

動きを見るときの基本だと思います。

ローテーションの方向はお分かりになりましたでしょうか?

例外はありますが、一般に、私たちが歩くときには

右足が振り出されるときには、右腰が前方に動きます。

左足が振り出されるときには、左腰が前方に動きます。

すこし、ちがう言い方をしますと、

右足が振り出されるときには、上から見ると腰が反時計回りに回転します。左足が振り出されるときには、時計回りに回転します。

私が、歩きを見はじめたときには、この動きさえ、なかなか分かりませんでした。

特に男性は分かりにくいです。女性の方が骨盤が大きく動くので分かりやすいです。

この腰の動きを補償(打ち消す)ために、私たちは振り出される足の反対側の腕を前方に振り込んでると考えられます。

歩行ロボットは、この補償作用がなかなか難しいようです。どのようにしているかといいますと、ロボットの足裏の面積を大きくして、その摩擦で体(軸足)の回転トルクを補償しているようです。

興味がある方は、秘宝館(http://www.namiashi.com/hihoukan/)の投稿コーナー、

「常歩(なみあし)で歩く二足歩行ロボットの研究」上田 淳(奈良先端科学技術大学院大学)をご覧ください。

この骨盤(腰)の水平回転(ローテーション)には、様々な特徴(法則)があります。

次回は、そのことに触れることにします。

歩行動作を観る(1)



多くの方々から、動作の見方をどこで覚えたのですか??、と聞かれます。

実は、習ったわけでも、本を読んだのでもありません。人の歩きを10年間くらい、毎日見ました。

今でも見ています。

以前は、よく遊園地などに行くと、ベンチに座って一日中人の歩きをみていました。

変なおじさんですね・・笑。

その歩きの見方を、全ての動作に応用します。

歩きの違いが分かるようになると、その他の動作は比較的簡単に分かるようになると思います。


ある大学の大学院で「身体動作法」という授業を開講しています。

今年の受講者は一人。(笑)マンツーマンで、雑談を交えてやります。

そのほか、ビデオを見たり、実際に動いたり・・・・・。

先日、歩きの授業をしました。今日は、その授業の内容をすこし紹介します。


一般の方々は、歩きの違いがなかなか分かりません。

これは、その他の動作でも同じです。歩きや動作を見るときにはちょっとしたコツがあります。それは、胴体を見るということです。

一生懸命、動作を観察しようとすると、一番動いている手足(四肢)の動きに目を奪われてしまいます。

手足は、ボールを持ったり投げたり、蹴ったりしますから、四肢の動きに目を奪われていると、人の動きが全く分からなくなります。

まず、歩きを見る練習をするといいです。最初に見るところは、腰の動き、それも「水平方向」の動きだけを見ます。

よく「腰が回転する」という動きです。ローテーションするという人もいます。

腰の回転の程度は、人によって違います。

歩いている人の腰の動きだけを観察してください。

これからが、絶好の季節です。冬は皆さん着込んでいますから、腰の動きがわかりません。それも、女性の方が腰の動きがよく分かります。

人が歩くときには、脚の動きと腰の動きには、程度はあっても、ある法則のようなものがあります。それを見つけてください。

腰を全く回転させないで、歩ける人はまずいません。必ずローテーションします。

もう少し、具体的にいうと・・・

右足が振り出されるときには、腰はどう動くでしょう?

左足が振り出されるときにはどうでしょうか?

歩く人の、腰と足(脚)の動きの関係を観察してみてください。

しばらくは、歩きについてお話してみます。

「見る」とは


私の趣味は、長距離ドライブ・・・・、大坂・京都付近までなら車で行きます。

乗ってる車も、セダンではありません。

小型のキャンカー(キャンピングカー)なんです。(笑)


ある、知り合いになった長距離トラックの運転手さんと話したときのこと。

「よく、長距離走って疲れませんね〜〜〜」と私。

「私たち、前、見ませんから」と彼。

「え〜〜〜〜ッ?見ないんですか?」

「見ませんよ、どこにも焦点は合わせません・・だから全部が見えます」

彼らは、私たちのように、信号や標識、車や歩行者にいちいち焦点を合わせてみていないらしいのです。

焦点をおかずに、前方全てを見るようにするらしいです。

「武道」や「武術」に伝わる「目の使い方」と同じです。

一点を見るのではなく、相手の頭からつま先まで一緒にみます。

剣道では、「遠山の目付け」などと表現されています。

私も、運転するときは、「見ないように」心がけています。

皆さんも試みられてはいかがでしょう。運転しながら、「観の目」が訓練されます。

しかし、最初は十分に気をつけてください。(笑)


ある有名なバッターが、スランプを脱したときに、

「見ないようにしたらタイミングが戻りました・・・」

と語っていたのを思い出しました。


またぎ感覚

 
さて、先日の写真ですが、走歩行で、「2直線上を走る」ということと「直線を踏まないように」というは、動作は一緒なのですが、全く違います。

私たちも最初は、2本のレールの上を走る(歩く)と表現していました。

しかし、2直線上を走ると表現すると、着地脚に意識がいくのです。

そこで、一直線を踏まないように・・・つまり、直線をまたぐように走歩行をすることすすめています。

すると、遊脚側に意識がいくので、スムーズな動作が生まれます。

外から見た動作には、違いはないのですが、動作する本人は全く違う感覚になります。

この感覚の違いを、最初に知ったのは医療の現場からでした。

パーキンソン病の専門医の方にお話をお聞きしたときに、そのヒントを得たのです。

患者さんの歩行動作を指導する時に、線を引いたり、何かを置いたりして、患者さんに、またがせるようにすると歩行動作が楽になるそうです。


皆さんも試してみてください。

二直線歩行を実施したり、指導したりするときに、一直線を踏まないように、つまり、一直線をまたぐようにしてみてください。

全く感覚が違ってきます。


見事な二軸走法




ネットで、見事な二軸走法の画像を見つけました。

右側を走る少年・・・股関節の外旋といい、体幹の状態といい、理想的な走りです。

一方、左端の少年は、体幹を捻って走っていますね。

守屋カイロプラクティック・オフィスのブログからいただきました。

http://mchiro.exblog.jp/7691942/



「出すことが先」


常歩(なみあし)の活動をしながら気づかされたことに、「出すことが先」ということがあります。

簡単な原理です。

まず自分が持っているものを外(外界)に出すことに専念するということです。

例えば、自分が持っている知識や情報・・、特にいい情報を持っていると人には教えたくないものです。

自分だけのものにしておきたい。(笑)

しかし、そうではなくて、自分が持っているものを全て相手や外にに出してしまう勇気が必要であると思うようになりました。

自分が持っているものを、惜しげもなく公開すること・・・、すると不思議なもので、もっといい情報が集まってきます。

自分から発信された知識や情報が、さらに重要な知識や情報を集めてくれます。

例えば、HPやブログ・著書で情報を発信すると、多くの方々が関連した情報を教えてくれます。

それをまた、情報として発信します。その繰り返しです。

インターネット時代とは、そういうことだと思います。多くの人々が情報を共有す時代です。

秘伝を公開しない時代は終わったと感じます。

秘伝を公開しても、決して後悔しない時代です・・笑



他競技に学ぶ


3月30日に、ラグビー学会(第1回)が関西大学で開催されました。

河端隆志先生(大阪市立大学、サッカーがご専門)がシンポジウムで、「他競技から学ぶ」と言うい興味深いテーマで発表されたようです。

ラグビージャーナリストで、ラグビーマガジンの編集部長を長年務められた村上晃一さんのブログで、その様子が紹介されています。


(一部抜粋)+++++++++++++++++++++++++++++++

日本のサッカー選手は、キックの際、軸足に体重が残りすぎる。つまり、止まった状態のキックが多く、世界のトップ選手は動きながら蹴っているというあたりの説明は興味深かった。うまく蹴り足のほうに体重を移動して行ければ足の疲労度も変わってくるし、タックルされた際の怪我の軽減にもつながるようだ。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++

是非、村上さんのブログをご覧ください。
http://koichi-murakami.cocolog-nifty.com/


他競技を勉強することはとても大切だと思います。決して無駄にはなりません。

同じ競技の仲間と、じっくり話すのも重要ですが、同じことをぐるぐると話していることも多いようです。

スポーツに限らず、様々な分野の方々の話に耳を傾けると、新しい発見が次々に生まれてくると思います。

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