「股関節」



前回(昨日)だったでしょうか?。股関節の外旋と外旋位について触れました。


今日は、まず股関節の位置について考えて見ましょう。

まず「股関節」とはどこでしょう。指差してください。

どこを指しましたか?

講習や講演などでこのよう言うと、ほとんど全員が体の前の「股間」あたりを指差します。

そこは、「股関節」ではありませんよ〜〜、というと皆さんびっくりされます。

「股関節」を英語で言うと・・・・「hip joint」です。

訳すと「尻関節」です。

私たちが感じている(イメージしている)よりも、股関節は後にあります。

よく、「股関節に乗る」と言いますよね。


多くの方は、体の前側に力感を感じるように重心をかけてしまいます。

そうではありません。「股関節に乗る」ためには、もっと後(足裏のかかとより)に体重(圧力)を感じる必要があるのです。


たとえば、自然に立ってください。足裏のどの付近に一番「足圧」がかかりますか?。

股関節を「股間」にイメージしていると、前足部に足圧(圧力)を感じます。

足裏の前の方です。

本来の「股関節」に乗ると、もっとかかと側に足圧を感じます。

私たちは日常、靴を履いて生活しています。これが、くせものです。

靴は、ほとんどかかとが高く、つま先側が低くなっています。

自然に、足の前側(前足部)に足圧がかかります。

よほど、留意しないと、股関節乗ることができません。


皆さんご自身やチームで、もう一度、「股関節」の位置を確認されるといいと思います。


「見る」とは


私の趣味は、長距離ドライブ・・・・、大坂・京都付近までなら車で行きます。

乗ってる車も、セダンではありません。

小型のキャンカー(キャンピングカー)なんです。(笑)


ある、知り合いになった長距離トラックの運転手さんと話したときのこと。

「よく、長距離走って疲れませんね〜〜〜」と私。

「私たち、前、見ませんから」と彼。

「え〜〜〜〜ッ?見ないんですか?」

「見ませんよ、どこにも焦点は合わせません・・だから全部が見えます」

彼らは、私たちのように、信号や標識、車や歩行者にいちいち焦点を合わせてみていないらしいのです。

焦点をおかずに、前方全てを見るようにするらしいです。

「武道」や「武術」に伝わる「目の使い方」と同じです。

一点を見るのではなく、相手の頭からつま先まで一緒にみます。

剣道では、「遠山の目付け」などと表現されています。

私も、運転するときは、「見ないように」心がけています。

皆さんも試みられてはいかがでしょう。運転しながら、「観の目」が訓練されます。

しかし、最初は十分に気をつけてください。(笑)


ある有名なバッターが、スランプを脱したときに、

「見ないようにしたらタイミングが戻りました・・・」

と語っていたのを思い出しました。


拍子(リズム)

以前から、日本人には独特のリズムがあるのではないかと思っていました。

ある水泳競技の指導者から、次のようなことをお聞きしたことがあるのです。

日本の水泳は、平泳ぎや背泳では世界のトップ選手を輩出してきました。

しかし、自由形(クロール)では世界と大きく記録が開いてきたそうです。

その一因は、日本人は3拍子のリズムが取りにくいことにあるというのです。

クロールでスピードをあげるためには、6ビートのキックを体得しなければならないらしいのです。

右腕のストロークで右・左・右、左腕のストロークで左・右・左のキックをします。

つまり、3拍子のリズムなのです。ところが。日本人はこの3拍子が苦手で、3拍のあとにどうしても間が入ってしまい正確なビートを刻めないらしいのです。

また、登山では、日本人は5000メートル以上の山に登るときには、3日登って1日少し下る(休む)、このインターバルが最も体力を消耗しないと聞いたことがあります。

2日登って1日下る(休む)、4日登って1日下る(休む)のリズムではうまくいかないらしいのです。

日本人は3拍子はが苦手で、4拍子が得意な傾向にあることは確かなようです。

日本の民謡を調べるとほとんどが4拍子、隣の韓国ではとたんに3拍子の歌が多くなります。

私たちが好む3・3・7拍子も、4拍子の変化形。4拍子の4泊目に休みが入っています。

これらは、日本語のリズムが基礎になっていると説く研究者もいます。

日本人の体感リズムは、明らかに外国人のそれとは異なるようです。

週7日、そして土曜日と日曜日を連続休みとする生活パターンが本当に日本人に適しているのでしょうか。

いっそうのこと週8日制にして、4日目と8日目を休みにしたらどうでしょう。(笑)

科学する??

近頃、「スポーツを科学する」などという文言をよく見聞きします。さて、科学するとは何でしょう?。

「二軸動作は、科学ですか??」よく聞かれます。逆に質問します、「科学って何ですか??」(笑)

「二軸動作」・・・感覚を主体にした動作法です。当初は、私たち、そして一部の選手の間で語られてきました。

選手の皆さんの成功が、徐々にマスコミなどに認知されるようになり、「二軸動作」・「常歩」が世に出ることになりました。今から約8年前です。


ここからは、私の意見(私見)です。

身体動作の本質は客観ではありません。客観とは目に見えたり数値であらわされるもの。自分で剣道を実践したり選手の方々に接するようになり、それを確信しました。

例えば、相手、または相手チームの動きを「よむ」ということ。

武道で言えば、初心者の段階は相手の「動作」をよみます。いわゆる「予備動作」です。しかし、稽古で「予備動作」などはすぐになくせます。可視的な動作をよむことはできなくなります。

そこで、相手の「心」をよむことになります。動作にあらわれる前の「心」の変化をよみます。これは、武道家であればできるようになります。

相手の「心」・「感覚」をよみます。この「心」をよむことは多くの武道家が実践できます。

そこで、「心」や「感覚」の前にあらわれる相手の変化をよみます。それこそ「気」とか「気配」といわれるた相手の変化です。

武道がすばらしいといっているのではありません。スポーツでも同様なことが行われています。つまり、動きの本質は、レベルが上がれば不可視的な要素へと向かっていきます。

ここまでくると相手を見ないようになります。ぼやっとみる。「相手を見ると分からなくなる」とプロの選手たちがよくいう段階です。考えなくなる段階です。

ですから、超一流の選手は自分のやっていることを説明できないことが多いのです。相手の「無」を自分の「無」で感じているからです。

武道では、「見の目」ではなく「観の目」が大事だといいます。

私は、まだその先のレベルがあると思っているのですが・・・・・・。

とにかく、スポーツ・武道などの本質は不可視的な要素です。
つまり、決して可視的な要素を課題とする科学では解明できません。

スポーツに関する科学が発展しても、それは今のところ可視的なレベルを細分化しているにしかありません。

それを、超えたところにしか身体動作の本質はない、というのが私の見解です。

「体」は客観的ものをいいます。「死体」などといいますね、物体です。しかし「身体」は、人間としての精神的・または無意識の作用を含んだからだです。

スポーツ・武道などは「体動作」ではありません「身体動作」です。不可視的な要素を大切にしたいものです。

 

踵(かかと)文化


剣豪宮本武蔵が、興味深いことをいっています。

足さばきについて、「きびすを強く踏むべし」と五輪書(有名な剣術所です)の中で書いています。

「きびす」とは踵(かかと)のこと。武蔵は、しっかりと踵を接地させて動くことが大事だと説いているらしい。

現在でも能などの歩法に受けつがれているのですが、この動き方を理解するには、かなり注意が必要です。

踵(かかと)の部位が、現在とは違うらしいのです。

当時の踵は、現在のように足裏のうしろの狭い範囲をさすのではなく、後半分の広い範囲を示していたらしい。

つまり、「きびすを強く踏むべし」とは、足裏全体を接地させるとを教えていたと考えられるのです。

現在いわれている「フラット着地」の感覚や動きに近いかもしれません。


舞踊などでは、日本は舞の文化、外国(大陸)は踊りの文化だといわれます。

日本には、足を地面や床からほとんど離さずに動く「舞」が定着し、大陸には逆に体を宙に浮かせる「踊り」が定着しました。

これらは、日本人が長らく農耕民族であったことと関係があるといわれていますが、さらには草履(ぞうり)や草鞋(わらじ)などの履物の影響が大きいようです。

そういえば、オリンピックやサッカーのワールドカップ大会などの国際大会で、応援する観客のようすを観ていて、気づくことがあります。

自国の選手が得点したときの身体(からだ)の反応が、外国人と日本人では明らかに違います。

外国人、特に欧米人は、ほとんどの観衆がピョンピョンと何度も跳び上がって喜びを表現します。一方、日本人はどうか。1〜2回は跳び上がるものもいるが、多くは足を地面につけたまま両手をうえに上げたり、近くの人と抱き合ったりしてます。

踵(かかと)、すなわち足裏をしっかりと接地する日本人の身体特性は、しっかりと受け継がれているようです。

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